第 1 回教育プログラム検討部会を開催しました
2023年7月3日
令和 5 年 6 月 9 日(金)に山梨県版 地域連携プラットフォームである“地域人材養成推進会議”の傘下に設置した“教育プログラム検討部会(以下、検討部会)”を、山梨県立大学 飯田キャンパス(甲府市)で開催しました。
この検討部会は、地域における課題や、求められる人材・能力などを共有するとともに、地域社会からの意見やニーズ等を大学教育へ反映するために、地域の関係機関の代表者間で協議するものです。なお、当面は山梨県立大学と令和 4 年度から取組んでいる「(地)のソーシャルキャピタル~学びの山梨モデル~構築事業」(地域活性化人材育成事業~SPARC~)において、令和 6 年度から実施する特別教育プログラムの内容を中心に取扱うこととし、令和 5 年 3 月の第 1 回地域人材養成推進会議で設置を決定しました。
第 1 回となる検討部会では、部会長に山梨県立大学 八代一浩 副学長が指名されたことが報告され、令和 5 年度に検討する内容として、(1)地域に必要とされるより明確な人材像と、(2)令和 6 年度から山梨大学と山梨県立大学で開始する特別教育プログラムの内容を検討することが示されました。
具体的な協議に先立ち、八代部会長から、地域連携プラットフォームの意義に触れつつ、近年の高等教育政策の動向や、国、産業界、山梨県などで議論されているこれから必要とされる人材及び、求められる能力に関する情報提供や、第 1 回地域人材養成推進会議での議論について報告がありました。
続いて、奥田徹 理事・副学長から、山梨大学が SPARC 事業の一環で実施を検討している生命環境学部及び工学部で行う特別教育プログラムの概要、山梨県立大学 杉山歩 教授(地域人材養成センター長)から、リニア開通後の山梨県を見据え、地域を牽引するリーダー及び産業中核人材育成の必要性及び山梨県立大学の各学部で取組む特別教育プログラムの紹介がありました。
後半は、出席者間で両大学の教育プログラムや、これからの地域に必要となる人材などについて意見交換を実施しました。大学での教育などに関しては、「専門性が異なる学部・学科の壁を超えることは思っている以上に難しい側面もあるが、そこを乗り越え、異質なものと出会うことで、専門性をより意識することができる」、「両大学が魅力的な教育を行うことができれば、多くの人を集めることができるのではないか」といった両大学の教育プログラムに期待する声や、「地域社会で活躍する人材を育成するのであれば、まずは地域社会や地域の企業のことについて知る機会が必要であり、両大学が実施している Mirai プロジェクトのような取組がもっと必要ではないか」、「地域産業や地域が持つ豊かさ、価値などに気が付くことが重要となるが、そのためには現場に赴き、生の声を聞くことが必要ではないか」といったプログラムの内容等にも関係する貴重な意見がありました。
また、地域社会において必要となる人材や能力に関しては、「協調性があるなど、いわゆる平均的な人材よりも、今後は新たな価値を生み出すなど、山梨や現場を変えるキープレイヤー的人材が求められるのではないか」、「人工知能の普及など、社会が大きく変化しても人間力やコミュニケーション能力などは、今以上に重要になってくる」、「今後、人間が行う業務も変わってくると思われる。そうなると、課題発見能力や、課題解決に向けて取り組むことができる人材が必要になってくる」といった社会変化への対応に関する意見が多く出されました。
最後に、次回の検討部会に向けて、地域社会に必要となる人材について、より具体的な検討を行うため、県内企業の経営者を対象とした意識調査を実施すること、その結果等を踏まえ、引続き両大学で実施する特別教育プログラムについて検討していくことを確認しました。