山梨大学 地域人材養成センター(以下、当センター)は、本学の地域連携や地域人材養成に係る取組を強化するため、学内の関係機関を集約・体系化し、令和3年2月に新たに設置された組織です。
社会は常に変化しており、時代と共に大学が担うべき役割も変化しています。日本では今後の人口減少や社会変化にどう向き合うかが大きな課題です。地方においては社会の変化や地域の実情を的確にとらえつつ、自ら描いたビジョンに向けて行動する力を持つ人材こそが必要不可欠で、その人材養成機関として地域と連携した学びを提供する大学への期待が高まっていると感じます。
当センターでは、「地(知)の拠点事業(COC)」や「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」で培ったノウハウ等を活用した地域志向教育や地域貢献事業に加え、小中学生を対象に科学技術分野で突出した能力を持つ人材を発掘し、育成することを目的とした「やまなしジュニアドクター育成自然塾」、県内の社会人を対象に学び直しの機会を提供する本学独自の「リカレント教育」など、大学生はもとより、小学生から社会人までに対して一貫した学びを地域と連携しながら提供しています。
また、本学は山梨県立大学と「一般社団法人 大学アライアンスやまなし」を設立し、本法人が全国初となる“大学等連携推進法人の認定“を受けるなど、大学間連携を強化しています。その成果の1つに地域社会と大学間の連携を通じて既存の教育プログラムを再構築し、地域が真に求める人材を育成する「地域活性化人材育成事業(SPARC)」への採択があります。当センターではSPARCの一環として、高校生、大学生、企業・団体、起業家の各プレイヤーが「集い・つながり・生み出す」ための新たなソーシャルキャピタルを目指す「フューチャーEVO」を連携の枠組みを活用して開催しています。更に、大学、地方公共団体、産業界などが参画し、将来の山梨県に求められる産業中核人材や高等教育の在り方について恒常的に議論するとともに、各機関が連携して、地域を牽引する人材を養成することを目的とした「地域連携プラットフォーム」の運営を支援しています。
これから到来する人口減少社会において大学は、従来教育の対象とした若者ばかりではなく、これまで以上に、様々な背景を持った年齢層も異なる多様な学生や社会人を対象に「学び」を提供できる場にならなければならないと考えています。当センターは、これまでの実績や経験を活かしつつ、学内外と強固に連携をとりながら「地域と大学を結ぶ窓」としての仕事を進めてまいります。大学だから作ることができる「学びにおけるダイバーシティ環境の実現」が、地域に暮らす人々の幸福感に寄与し、地域の活力を支えることができる大学となりたいと願っています。
皆様方のご理解とご支援を頂きながら、事業を進めてまいります。今後の一層のご指導ご鞭撻をお願いいたします。