山梨大学 地域人材養成センター

女性のための復職とステップアップセミナー

令和5年度「女性のための復職とステップアップセミナー」アサーティブコミュニケーション講座を開催しました

2023年10月17日

 令和5年9月29日(金)、甲府キャンパス 工業会館3階会議室において、女性のための復職とステップアップセミナー「アサーティブコミュニケーション講座」を開催しました。講師に教育学域 教授 志村結美先生(男女共同参画推進室長)を迎えて、「アサーション」についての講義を行いました。

 まず、「アサーション」の定義について説明があり、自分の気持ち・考え・意見・希望などを率直に正直に、適切な方法で自己表現する手法であり、自分と相手の相互を尊重しようという精神で行うコミュニケーションスキルの一つであることを学びました。次に、チェックシートを使って自分のアサーションタイプを知るワークを行いました。アサーションタイプには、「アグレッシブ(攻撃的)」「ノン・アサーティブ(非主張的)」「アサーティブ(自分も相手も尊重)」が存在し、特に、「ノン・アサーティブ」タイプは、他人の意見を尊重できる一方で、自分の意見や気持ちをうまく伝えるのが苦手で、日本人に一番多いタイプであると説明がありました。

 次に、事例に対する対処方法が3つのタイプのいずれに当てはまるかクイズ形式で考えるワークや、表情(喜び・怒り・嫌悪など)を当てるワークを行いました。本ワークを通じて、非言語的な要素(表情・姿勢・声・手振り等)も会話の成立には大切であり、アサーティブなコミュニケーションをとるためには、表情と話す言葉を合わせる必要があることを学びました。

 さらに、アサーションコミュニケーションを実践するための「基本の型」である、「DESC(デスク)法」(Describe=描写する、Express=表現する、Specify=特定の提案をする、Choose=選択する)について説明がありました。特に、「Express=表現する」では私を主語としたセリフ「I(アイ/私)メッセージ」を作ることが大切で、Iを主語にすることで自分の感情を相手に正直に伝えることができることを学びました。最後に、「フルタイムで働き疲れて帰ってきた時に、家族に家事分担をしてもらう」設定で役割とセリフを決めてアサーション・トレーニングを実践し、ロールプレイで発表して家庭生活と職業生活を両立させる上で活用できる言い回しを共有しました。

 発表後、志村先生から「アサーションは完璧なものではなく、いつもアサーティブに行動する必要はない。しかしアサーティブ・トレーニングを通して、少しでも自分に無理をせずに生きていけるといいと思う。」とメッセージをいただきました。

 受講生からは、「私自身の傾向としてノン・アサーティブな側面が強く、それが軋轢を生まぬ方法であると心得てきたが、アサーティブな対応をすることで結果として豊かな人間関係を築くことができる面もあるということを知った。常にアサーティブである必要はなく、それを選ぶ自由も各個人が持っていて良いという考え方は新鮮で共感できた。」「私が我慢すれば丸く治まるからと思ってしまう人も多いので、そんな人がいたらアサーティブ・コミニュケーションの概念を伝えたい。トレーニングで演技としてのセリフを考える中で、いつもとは違う側の気持ちに立つことができて勉強になった。」などの感想をいただきました。

    講師の志村結美先生
     講義会場の様子
アサーション・トレーニングの打合せの様子
 ロールプレイで発表する受講生