山梨大学 地域人材養成センター

地域連携プラットフォーム部門

第1回リカレント教育検討部会を開催しました

2025年6月13日

 令和7年6月11日(水)に、山梨県立大学飯田キャンパス(甲府市)にて、山梨県版 地域連携プラットフォームである“地域人材養成推進会議(以下、推進会議)”の傘下に設置された“リカレント教育検討部会(以下、検討部会)”の第1回を開催しました。

 この検討部会は、SPARC事業期間中に実施を予定している、特別教育プログラムを活用した社会人向けの体系的な履修証明プログラム(※)や、その他のリカレント教育について、地域や産業界のニーズを反映させるために、地域の関係機関の代表者間で協議するものです。

 第1回となる今回は、議事に先立ち、事務局から前年度までに実施された推進会議および関係部会(教育プログラム検討部会、学位プログラム検討部会)の振り返りや、本検討部会の趣旨・目的等について説明がありました。

 議事ではまず、山梨大学 黒澤 尋 委員から、SPARC事業を通じてAI・DX分野の高度人材を養成する履修証明プログラムの実施を計画していることの説明がありました。続いて、山梨県情報通信業協会 高山 尚文 理事から、IT業界の現状やITおよびDX導入の目的等について説明があり、「大学のプログラムには、IT業界からだけではなく、一般企業の経営層や現場で課題を発見する方の参加が重要。IT業界がその課題解決を技術で支えることで、県内産業全体の底上げが期待できる」といった貴重な意見がありました。また、各委員からは、「お金を出して企業が受講したいという視点で考えると、業種によってニーズが違うので、幅広い業種から募るのであれば、リスク対応や最新の法規制等の共通項を探すべき」「ある程度分野を絞るなり、テーマを明確化すべき」といった意見もありました。

 次に、山梨大学 黒澤委員から、少子化対策に資するリカレント教育として、胚培養士の養成が必要である旨の説明がありました。これに関連して、山梨県子育て・次世代サポート課 小林 秀一 委員から、県内の少子化の現状について説明があり、「少子化対策の一環として、不妊治療に関する取り組みを拡大しており、不妊治療の件数が年々増加している」「一方で、不妊治療の待機者も発生しており、不妊治療のニーズが高まっている」といった現場の課題に関する具体的な情報提供がありました。

 次に、山梨県立大学 杉山 歩 地域人材養成センター長から、山梨県立大学でSPARC事業の一環として計画している、現場変革を担うDX人材養成に関する履修証明プログラムや、令和6年度にプロトタイプとして実施した、デザイン思考による新たな価値創造ワークショップについての説明がありました。参加者からは、「新しい価値の創造のためには、デザイン思考や情報理論など学術的な知見が必要」「ものづくりの現場産業との連携も望ましい」といった意見が出されました。また、「受講料を徴収するには、共通の課題やニーズに対応したプログラム構成が必要」といった指摘もありました。

 最後に、今後もリカレント教育プログラムについて意見交換を継続し、地域ニーズを踏まえたプログラム構築を両大学で進めていくことを確認しました。

※履修証明プログラムとは、大学等の教育・研究資源を活かし一定の教育計画の下に編成された、体系的な知識・技術等の習得を目指した教育プログラムのこと。(引用:文部科学省HP「大学等における履修証明制度の概要」

活動状況等についてはこちら(山梨県立大学HP)もご覧ください。

説明する黒澤 山梨大学理事・副学長
説明する高山 山梨県情報通信業協会理事
説明する小林 山梨県子育て・次世代サポート課長
説明する杉山 山梨県立大学地域人材養成センター長
意見交換の様子
全体の様子