山梨大学 地域人材養成センター

女性のための復職とステップアップセミナー

令和5年度「女性のための復職とステップアップセミナー」インターンシップ設計講座を開催しました

2023年11月6日

 令和5年10月12日(木)、甲府キャンパス 工業会館3階会議室において、女性のための復職とステップアップセミナー「インターンシップ設計講座」を開催しました。講師にキャリアセンター 特任教授 山本和美先生、キャリア・アドバイザー 松村賢子先生、山本じゅり奈先生を迎えて、インターンシップに向けての講義とワークを行いました。

 まず、「キャリア」とは仕事や職業といった呼び方に留まらず、「社会で求められている能力を見極め、自身の成長や自己実現をしていくこと」であると説明がありました。インターンシップは、業界や企業の潮流を知り人脈を広げ、自分に足りない知識能力を「知る」、そして転職後のミスマッチを防ぐために「備える」機会となることを学びました。山本和美先生から、「仕事の良い面だけを見るのではなく、『実際はどうなのだろう』という問題意識を持つことを意識してほしい。」とアドバイスがありました。また、インターンシップを通して自分が働く姿を想像できるか、実際に働いている人がどのように感じているかを確認できる貴重な機会になると説明がありました。

 次に、「インターンシップ先で意識すること」として、人の印象は視覚情報(見た目、視線、表情、身のこなし)だけで55%が決まるため周囲への配慮が必要であることや、自分にできることを探し自己認知力(周囲からどう見られているか)を高め、周囲とコミュニケーションをとることが大事であることを学びました。さらに、漠然とした目標ではなく具体的な目標を持ち、自分は何が得意で何ができるかを知ることで、「自分らしい仕事を中心とした人生」を明確化できると説明がありました。

 最後に、「ワーク・アズ・ライフ」についての説明があり、ワークとライフを分けてバランスをとるワークライフバランスとは異なり、ワークとライフの両方に価値を置き、重なり合い、融合させることで人生全体を充実させる概念であると説明がありました。ワークとライフを考える上では仕事理解と自己理解が大事であり、また、キャリア形成の機会を偶発的に引き寄せるためには「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「冒険心」という5つの要素が大事であることを学びました。

 講義後のワークでは、窮地に陥った時にどのように乗り切ったかを受講生1人ずつ発表し、「自分の強み」について共有しました。「レジリエンス(回復力、弾性)」とはキャリアの考え方の一つで、柳の木のように流れに身を任せてしなやかに窮地を乗り越えていくという概念であり、自分らしく乗り越えていくための原動力になると説明がありました。山本和美先生から、「『自分の強み』を将来に活かせるかどうかが大事。自分の「軸」がどこにあるかを考え、自分に合った業界や業種は何かを考える基準にしてほしい。インターンシップは外部の人が内部に入ることができるチャンスなので、この機会を活かしてほしい。」とメッセージをいただきました。

 受講生からは、「キャリアの8割は偶然の出来事によって形成されるという理論が唱えられているという紹介があり、衝撃を受けた。」「レジリエンスについてワークをしたことで、自分を深く見つめ直すきっかけになった。自分がピンチに陥ったとき、どうやって乗り越えたかを思い出し、それについて助言を頂いたことが私らしく生きるための大きなヒントになった。」「私にはマイナスな負け癖だとしか思えなかった事を、プラスの言葉で先生方に伝えてもらえたことがとてもありがたかった。『こうなりたい』がまだ定まらずにいるので、インターンシップをしながら現実的にしていきたい。」などの感想をいただきました。

講師の(左から)山本和美先生・松村賢子先生・山本じゅり奈先生
     講義会場の様子
Zoom参加の受講生を交えてのワーク
窮地を乗り切った経験を発表する受講生