設立背景
様々な高等教育機関を巡る議論があるなかで、平成30年(2018年)11月に中央教育審議会の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」において、平成30年(2018年)に生まれた子供たちが、大学の学部段階を卒業するタイミングの年となる2040年に必要とされる人材と高等教育の目指すべき姿が示されました。
答申では、国公私立の設置形態の枠組みを越えて、大学等の機能の分担及び教育研究や事務の連携を進めることで、各大学の強みを活かした連携を可能とする制度の必要性が示されており、答申で示された内容が、令和2年度(2020年度)末に『大学等連携推進法人制度』として創設されました。
山梨大学では、大学等連携推進法人制度の活用を見据え、山梨県立大学との連携を強化し、令和元年(2019年)12月に『一般社団法人 大学アライアンスやまなし』を設立しました。法人設立後、様々な分野において、両大学間での連携事業を実施し、令和3年(2021年)3月に全国初となる“大学等連携推進法人の認定”を受けました。そして、令和3年(2021年)4月からは、教学上の特例措置を活用した“連携開設科目”の開設が始まっています。令和3年度は、教養教育分野を中心に52科目(山梨大学が主幹大学となった科目は39科目)を開設するなど、連携教育事業を展開しており、年々その対象となる分野や科目数を増やすなど、両大学の学生にとってメリットがある事業を大学間連携の枠組みの中で実施しています。
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部門紹介
令和3年(2021年)2月から、“一般社団法人 大学アライアンスやまなし(以下、アライアンス)”の運営支援に係る業務を当部門が担当しています。
具体的には、アライアンスの事務局機能を担っており、理事会や総会などの準備・運営や、法人登記や大学等連携推進法人に係る各種手続きを行っています。その他、円滑な連携事業のための両大学間の調整など、アライアンスの枠組みで実施する大学間の連携事業を担当しています。
なお、アライアンスの事務局には、センター(地域人材養成センター支援室含む)だけでなく、山梨県立大学の事務職員も参画しています。一般社団法人の運営や、アライアンス事務局の活動に係る打合せを定期的に行うなど、両大学が協力して、法人事務局の運営を行っています。
連携事業
一般社団法人 大学アライアンスやまなし(以下、アライアンス)は、設立後、
教育分野に限定せず学生支援や大学の管理運営といった様々な分野において連携事業に取組んでいます。
一例を紹介しますと、大学等連携推進法人の特例措置を活用した“連携開設科目”では、令和3年度は教養教育分野を中心に52科目でしたが、令和4年度には、看護教育分野での大学院科目を新たに追加するとともに、教養教育分野の科目を増やし、132科目にまで増加しています。さらに、令和5年度には幼児教育や教職課程に係る科目についても“連携開設科目”に位置付けるべく、準備を進めています。
なお、当センターの地域志向教育部門で行っている学生と県内の企業・団体が実施する課題解決型事業である“Miraiプロジェクト”を活用した“フューチャーサーチ”も“連携開設科目”となっています。
その他にも、施設の共同利用など、山梨県立大学との連携を強化することによって教育環境を充実しています。
その他にも、大学の管理運営に係る分野での連携を強化しており、スケールメリットを活かした共同契約や共同調達などを行っています。更に、教職員研修の相互参加や共同実施等を行うとともに、令和2年(2020年)10月からは、両大学間で事務職員の交流人事を開始するなどの取組を行っています。
さらに、令和2年度には、地域・大学間連携を核とした新たな経営改革に取組む事業が、国立大学経営改革促進事業に採択されるなど、一定の成果を挙げています。
加えて、令和4年度には、大学等連携推進法人制度を活用し、各大学において文理横断型の教育プログラムを構築する文部科学省の“地域活性化人材育成事業(SPARC)”【令和4年度 大学教育再生戦略推進費】に山梨県立大学と連携して申請し、採択されるなど、大学間連携の枠組みを活用した大学・教育改革を推進しています。
山梨大学×山梨県立大学におけるSPARC事業の概要等はこちらから »
今後も、連携できる分野については、積極的に取組むことで、多くの実績を積重ねていきたいと考えています。